「10億集めたICOが何もプロダクトをローンチできない理由」という記事が話題に!
昨日、Twitterのタイムライン上で「10億集めたICOが何もプロダクトをローンチできない理由」という記事が話題になっていました。
ここ最近話題になっているICOですが、確かに問題点も多いように感じます。
記事の概要
ざっくりですが、この記事の概要をまとめてみます。
- 48のICOサンプル中、半数以上(56.25%)はプロダクトが存在しない
- 情報の非対称性、開発インセンティブの欠如、プロダクト不在の投機市場の存在といった理由
- プロダクトの開発進捗とICOの調達額に相関はない
- 現状、ICOは寄付の延長線上として見たほうが安全ではないか
現状のICOに対して思うこと
ICO前後の開発は通常のプロダクト開発プロセスとは大きくことなります。
例えば、日本でVCなどから資金調達を行い、プロダクトの開発を行っていく事例ではまず最初にプロダクトありきなイメージがあります。
つまり、
- 資金がない中でなんとか良いプロダクトをつくる
- プロダクトをもとに、投資家を口説いて資金調達する
- 資金を使ってプロダクトを宣伝したり、人材を集めたりしてグロースさせる
というプロセスを経るわけです。最近ではこれまでよりもカジュアルに(?)シードの資金程度なら調達できる風潮があるような気もします(数百万円)。
つまり、これまでに比べ資金調達しやすい環境が整ってきたということです。
それでもさすがに、何のプロダクトもない状態でVCから数億円の調達を得ることなんて不可能だと思います。これを可能にしている要因は、さきほども書きましたがICOの「プロダクト不在の投機市場の存在」が大きな理由になっていると推測できます。
現状のICOの問題を解決するには?
今のICOの状態を改善したいと思うのであれば、以下のようなプロジェクトにのみ資金を投入する流れを作らないといけません。
- プロダクトがある
- 情報の透明性が高い
- 資金調達額に限度がある
また、現状こういった要件を満たせていないプロジェクトが多いからこそ、このような要件を満たすプロジェクトは成功する可能性が高い、といえるかもしれません。
さいごに
とはいえ上記3つの要件を満たしてしまうと、これまでの資金調達方法と同じ感じになってしまう気もします。
もちろん、適当なプロジェクトに資金が集まり、何もなされないまま無価値なトークンだけ生まれて終わる、というのは残念なことです。
しかしICOでの資金調達は爆発力があり、うまくいけばこれまで以上のスピードで価値のあるプロダクトを生み出せる可能性があります。
現状のICOの大半は正直悲惨かもしれません。それでも、個人的にはICOという仕組みを上手く活用して、良いプロダクトを作ってくれるプロジェクトが出てくることを期待してしまうのでした(おわり)。